沖縄の海の生き物の25%はサンゴ礁に頼って生活しています。サンゴを食べる魚。サンゴ礁を棲みかにする魚。サンゴから生産される栄養分を利用して生活しているモズクなどの海藻類や沿岸の小さな生物たち。サンゴは海の生物に棲み場所と食べ物を提供しているのです。
また、サンゴ礁は台風や高波などの災害時には自然の防波堤になります。
※サンゴはたくさん集まってサンゴ礁という地形を作ります。
サンゴの中には樹木のように枝分かれしているものもあり、一見、植物に見えますが実は動物です。イソギンチャクやクラゲの仲間に含まれます。サンゴは動物ですが、自分自身の力で動き回ることはできません。また、他の多くの動物のようにオスとメスの区別はなく、雌雄同体(しゆうどうたい)という不思議な生き物でもあります。
ほとんどのサンゴは1年に1回卵を産みます。その時期は種類によって違いますが、多くのサンゴは満月の夜に一斉に産卵します。そして産まれたサンゴの赤ちゃんは、水中をゆらゆらと漂ったあとで適当な場所をみつけて岩などにくっつき成長します。
サンゴは「ポリプ」と呼ばれる個体がたくさん集まってできた集合体で、ポリプの分裂によって成長します。また、サンゴの種類や光の条件や海の水の流れなど、周りの環境によっても成長スピードは変わりますが、およそ1年で1cm~10cm以上の速さで成長することが知られています。
サンゴは主に体内に共生している褐虫藻(植物プランクトン)から栄養を取っています。昼間は、太陽の光を利用して褐虫藻に光合成をしてもらい、その栄養の一部をサンゴが受け取っています。また、夜は太陽がでておらず褐虫藻も休んでいるので、サンゴはイソギンチャクやクラゲのような触手を使って、自分で動物プランクトンを捕まえて食べています。
サンゴは海水の温度に非常に敏感な生き物で、多くの種類は海の温度が約18度~約28度の間の温かい海で生きています。 しかし最近の地球温暖化などの影響で海の温度が30度を超えると、白くなって(白化)死んでしまいます。
サンゴは褐虫藻という植物プランクトンと共生しており、栄養分をこの褐虫藻からもらっています。しかし、海水温が30度を超えると、サンゴから褐虫藻が抜け出し、サンゴが栄養を充分にとれず弱り死んでいきます。このときサンゴの骨格が白く透けて見えるようになるので「白化現象」といいます。
※白化した状態が長く続くと死滅します。
魚の中にはサンゴをついばんで食べてしまうものもいますが、魚よりもこわい敵はオニヒトデです。オニヒトデは最近しばしば大量発生し、サンゴを食べつくしていきます。オニヒトデに食べられたサンゴはボロボロになり、無残な姿に変わり果ててしまいます。そしてなにより、私たち人間が海を汚し、環境を破壊することもサンゴにとって大きな敵になることを忘れてはいけません。 一方サンゴ礁に住むカニの仲間にはサンゴの枝の中で暮らしてオニヒトデがくるときははさみで戦ってくれる頼もしい味方もいます。