恩納村漁協の取組み

恩納村の概要

恩納村は沖縄本島のほぼ中央部西海岸側に位置し、南北27.4km、東西4.2kmと細長く、西側は東シナ海、東側は恩納岳(おんなだけ)を中心とした山々に囲まれた自然豊かな村です。
変化に富んだ恩納村の海岸線は約46kmにも及びます。沖縄随一の景勝地・万座毛(まんざもう)をはじめ、風光明媚な岬やビーチが多く、前面には、“イノー”と呼ばれるエメラルドグリーンの美しい海が広が望めます。
イノーとは、自然の防波堤といえるサンゴ礁のリーフに囲まれた穏やかな浅い海のこと。恩納村のイノーは広大で、その広さは約3,000ヘクタール。イノーは海の畑とも呼ばれ、海底まで太陽の光が降りそそぐ透き通った海はモズクの生育にも最適で、恩納村は沖縄有数のモズクの産地にもなっています。

恩納村漁協の概要

年表

昭和45年(1970年) 恩納村漁業協同組合設立(3月11日)
昭和48年(1973年) モズク増殖試験開始
昭和52年(1977年) 太モズク初収穫(沖縄県内初、18トン)
昭和61年(1986年) 糸モズク取り扱い再開(9トン)
平成1年(1989年) 海ぶどう陸上養殖試験開始(平成6年度より本格販売開始)
平成7年(1995年) 全国青壮年部婦人部実績発表大会にて「シャコガイの資源管理への取り組み」で水産庁長官賞受賞
平成11年(1999年) 積極的に海を育む目的でサンゴ養殖の取り組み開始
平成15年(2003年) 民間企業と連携して養殖したサンゴを海に戻す植付け開始
平成18年(2006年) 海ぶどう養殖で沖縄県の拠点産地に認定(水産物で第1号)
平成19年(2007年) 第27回全国豊かな海づくり大会にて漁場保全部門で農林水産大臣賞を受賞
環境保全活動を『里海づくり』として方向付け、その具体的な活動として『サンゴ礁の海を育む協同活動』と組合決議をする
恩納モズクの品種登録出願(恩納1号:恩納モズク)
平成23年(2011年) モズク養殖で沖縄県の拠点産地に認定
恩納モズク品種登録完了(登録品種の名称:恩納1号、登録番号:第20852号)
第50回農林水産祭で海ぶどうが天皇杯を受賞

「人・社会・環境にやさしい村づくり」を目指す恩納村漁協

恩納村漁協は、モズク養殖をはじめとする「育てる漁業」を行っています。『モズク』のほかにも、『アーサ』や『海ぶどう』の養殖を行い、それぞれが県内有数の産地となっています。
海の環境を守るため、オニヒトデの駆除や赤土汚染防止、海洋汚染の監視などの取り組みも積極的に行っています。また、「海を育む」目的でサンゴを植付ける取り組みも始めています。
生産者は生産技術や品質向上に非常に熱心で、品質日本一を目指して情熱を燃やしています。

恩納村漁協は沖縄のモズク養殖の先駆け

恩納村漁協は、モズク養殖試験に早くから取り組み、昭和52年(1977年)に沖縄県内で初めてモズク養殖に成功しました。沖縄県内で最も養殖技術の優れた産地となっています。
恩納村漁協で開発された「中間育成方式」は、沖縄全体で採用され、現在の沖縄の水産業発展に大きく貢献しています。

中間育成方式
アーサやモズク養殖で種を付けた養殖網を海底に接地させ、芽出しを促進させる方法。

恩納村は海ぶどう養殖発祥の地

沖縄県内の一部でしか見られなかった天然の海ぶどうの養殖技術を確立したのは恩納村漁協です。粒や長さの揃った海ぶどうを短期間に育てることに成功しました。また、プチプチとした食感が損なわれないような養生方法を確立し、現在、海ぶどう養殖は沖縄県の重要な特産品へと成長しました。その功績が称えられ、平成23年度、海ぶどう生産部会は天皇杯を受賞しました。

赤土汚染防止の取り組み

沖縄県の土は、赤土(あかつち)が多く、河川から海に流れ出るとモズクなどに付着し被害が出てしまいます。恩納村漁協は、関係機関との協議などを進め、漁場を守る画期的な条例づくりに取り組みました。この取り組みは沖縄全体に影響を与え行政の指針となりました。

屋嘉田潟原(やかたかたばる)
恩納村のほぼ中央部に位置する屋嘉田潟原は、沖縄を代表するサンゴ礁干潟で、多種多様な沿岸環境から約250種類もの多様な生物が見られます。この屋嘉田潟原は、アーサ(ヒトエグサ)養殖場、モズク中間育成場、モズク養殖場、シャコガイ養殖場、ウニ増殖場、タカセガイ中間育成場など、恩納村の漁業の心臓部とも言える重要な海域です。

サンゴの天敵オニヒトデの駆除

恩納村海域では昭和44年に村南部の海域でオニヒトデが大発生し、この年から駆除が始まりました。昭和46年のオニヒトデの大発生では、海域によっては90%のサンゴが死滅する事態になり、その後も昭和59年、平成8年にも大発生しました。周期的に大発生するオニヒトデ対策として、平成14年から産卵期前の集中駆除を始めました。長年にわたって自主的に行っている駆除活動によって、現在オニヒトデの大発生は未然に防がれています。

サンゴ礁の環境・生態系保全活動

沖縄のサンゴ礁は、海の生き物が生活する上で大切な住みかです。しかし、赤土流失による汚染やオニヒトデの大発生、更に、地球温暖化の影響による海水温の上昇などが原因で、なくなりつつあります。一時期、恩納村海域でも約8割のサンゴが消失したといわれ、魚などの減少やモズクがなかなか育たなかったりと問題となりました。そこで、恩納村漁協はサンゴの保全や再生の研究に着手し、村、商工会、村内事業所、県内観光関連事業者等と連携してサンゴの植付けに取り組みました。
地球温暖化の影響で頻発する白化現象に対応するために、母サンゴの育成強化の重要性もわかってきました。今、全国の生活協同組合の協力連携をいただきながら、サンゴの植付け活動を拡大しています。

白化現象
サンゴの体内には「褐虫藻(かっちゅうそう)」という藻が共生しています。海水温の上昇が続くと褐虫藻が放出され、サンゴは白くなり(白化)、最悪の場合死んでしまいます。

サンゴ養殖と植付け

現在の恩納村漁協のサンゴ養殖と植付け方法は、試行錯誤の末に恩納村漁協が独自に開発した方法です。
沖縄県の許可を得て採取したサンゴの破片を陸上で養殖し、その増やした分を植付ける手法です。
更に、植付けは海底の岩などに直接植付ける方法もありますが、植付けたサンゴの生存率が飛躍的に向上する「ひび建て方式」を開発しました。「ひび建て方式」とは海底に鉄筋とパイプを立て、そこに養殖したサンゴをセットしてゆく方法です。こうして植付けたサンゴは、3年くらいで卵を産む母サンゴに成長します。(一般的なサンゴは直径25cm以上で始まると言われており、卵から早くて5~6年ほどかかります。)

ひび建て方式

サンゴ植付け

サンゴ植付け

サンゴの産卵

サンゴの産卵

サンゴの産卵

環境大臣賞受賞
パートナーシップ締結

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